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しかし、大水深海域では、このプラットフォームの係留には、多くの技術的問題を抱えている。これを解決する方法の一つとして、プラットフォームの係留系をテンションロッドまたはテンションワイヤーで海底に緊張係留するTLP方式が開発されてきた。
1984年に第一基目のTLPが設置され、1996年までに計6基のTLPが、北海及びメキシコ湾に設置された。この内、1996年にHEEREMAC社によって設置されたTLPは、水深900mの海底に設置されている。この水深900mのところに設置されたTLPの設置作業には、ダイナミックポジションシステム装置を装備したり「12,000t吊自航半水式クレーン船」が使用された。図-2.2.5にTLP設置状態をイラストで示す。

 

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b)大水深における海底輸送管の設置
従来の「S-LAY方式」によるパイプ敷設船では、大水深に設置するときのパイプの強度等の工法上の技術的間題が発生してきた。これらの間題に対応する新しい方法として「J-LAY方式」が開発されてきた。この方式による施工の実績は、自航半潜水式旋回クレーン船のデッキ上に「J-LAYシステム」の装置を装備してオーマン〜インド間の水深約3,000mのところに敷設した事例がある。写真-2.2.2に、クレーン船に「J-LAY」装置を装備したものを示す。

 

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